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入居時に 必要な 費用
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」によれば、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の運営者が入居者に請求できるのは、家賃、サービス対価、敷金のみとされています。 そのため一般的な賃貸住宅と違い、礼金の支払いは必要ありません。
多くの場合、サ高住への入居金は敷金のみとなります。 また、契約内容や支払いプランの内容によっては、家賃・サービス対価を前払いするケースもあります。
敷金
敷金とは、賃貸住宅などにおいて、入居者が物件の貸主に預けておくお金のことです。 一般的には退去時の原状回復費用や、家賃の支払いが滞った時の保証金として使われ、差額は退去後入居者に返されます。 サ高住の中には、1か月分から数か月分の敷金が必要な施設が多いですが、一方で敷金の支払いを全く必要としない、という施設もあります。実際の割合を見てみましょう。
最も多いのは、家賃2か月分以上、3か月分未満の敷金を必要とするサ高住で、全体の31%に上ります。 次に多いのが、敷金の支払いを全く必要としないサ高住で、全体の27%です。 その次が家賃3か月分以上4か月分未満で、全体の26%となります。
敷金はいずれ返ってくるお金ではありますが、引っ越しの費用をとにかく抑えたいという場合には、入居希望のサ高住に敷金なしのプランがないかチェックしてみるとよいでしょう。
家賃・サービス費の前払い
基本的にサ高住の家賃、サービス対価の支払い方法は「全額月払い式」となっています。 しかしその中には、家賃やサービス対価を前払いするプランを用意している施設もあります。
前払いのプランには大きく分けて、2つのパターンがあります。 数か月分の家賃・サービス対価を契約時に支払うことで、入居後月々の支払いが割安になる、というものと、想定される入居期間分の家賃・サービス対価をすべて前払いし、入居後の支払いをなくすというものです。
こうした前払いの制度は、長く住むほどメリットは大きくなりますが、入居後何らかの理由ですぐ退去することになった場合には、大きな損失となってしまいます。
そうしたトラブルを避けるためにも、サ高住の運営者は、退去時の前払い金の保全措置について入居希望者に説明しなくてはならない、という決まりが「高齢者住まい法」によって定められています。 前払い金ありのプランを利用される際には、必ず施設に確認するようにしましょう。
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毎月かかる 費用
家賃
全国のサ高住の平均家賃は、約6.4万円です。 価格帯の分布で見ると、家賃5万円以上、10万円未満のサ高住が最も多く、半数以上を占めていることが分かります。
サ高住の家賃は、一般的な賃貸住宅同様、立地や建物のグレードによって大きく異なります。 当然、都心に行けば行くほど、居室の面積が大きければ大きいほど高くなる傾向にあります。
サービス利用費
どのサ高住でも受けることができる基本サービス、状況把握と生活相談の利用費は、全国のサ高住の平均で約1.9万円になります。
サ高住で提供されるサービスは施設によって様々です。 上記二つのサービスに加えて、食事提供や訪問介護、健康管理、家事代行などを行う施設が最近では増えています。 そうしたサービスを追加で利用すると、料金が加算される場合もあるため、どのようなプランでサービスを利用するか決めたうえで、月々にかかる費用を施設に確認するようにしましょう。
食費
全体の9割以上のサ高住が食事提供のサービスも行っており、その平均の月額利用料は約4.5万円となります。 支払いに関しては、毎月定額を支払う方法と、一食ごとの値段が決まっていて食べた分だけ支払う方法があります。 「基本的には自分で食事を用意するが、時間がないときは提供サービスを利用したい」といった場合には、一食ごとに払える方が便利です。 入居するサ高住ではどのような支払い形式をとっているのか、事前に把握しておきましょう。
水光熱費
多くの場合、一般的な住宅同様、サ高住で暮らしていると水光熱費がかかります。 その支払い方法は、施設によって様々です。 例えば、固定額として毎月支払う家賃や共益費の中に含まれている、家賃や共益費とは別に実費を施設に支払う、入居者が各自ライフラインを契約して直接業者に支払う、などの方法があります。 自分が入居したいサ高住ではどのようになっているのか、事前に欠かさず確認しましょう。
共益費
共益費とは、マンションなどの集合住宅において、共有部の維持管理のために入居者が家賃とは別に支払うお金のことです。 具体的には、住人が共同で利用するスペースの電気代や水道代、清掃や修理、照明の交換などにかかる費用となります。 サ高住の中には、浴室や台所などが共有部に設けられているところも多く、そのため共益費に関しては一般的な賃貸住宅よりも割高になる場合があります。 全国のサ高住の平均共益費は、約2.1万円です。
まとめ
サ高住は一般的な賃貸住宅と違い礼金の支払いは必要ありません。 入居時には家賃2~3か月分の敷金が必要となる場合が多く、その平均金額は約16.8万円になります。
入居後に毎月支払う費用としては、主に家賃・サービス利用費・食費・共益費・水光熱費の4種類となります。 全国のサ高住の家賃・サービス利用費・共益費の平均金額は以下の通りです。
- 家賃6.4万円
- サービス利用費(状況把握・生活相談のみ)1.9万円
- 共益費2.1万円
- 食費(食事提供サービスを利用した場合)4.5万円
サ高住入居者の、一か月あたりの家賃・サービス利用費・食費・共益費・水光熱費をすべて合算した平均金額は、厚生労働省の調べによると約14万円となっています。 普通の賃貸住宅とあまり変わらない、と思われる方も多いかもしれませんね。 あとはライフスタイルに応じて、交通費や医療費、電話代や消耗品代などの費用が必要となってきます。
この記事を書いた人
サ高住ドットジェイピー専属アドバイザ―
田辺まい
介護事業所でのキャリアを活かして、高齢者向け住宅関連の記事を書いています。
誰にでもわかりやすく、を心がけながら、サ高住探しに役立つ情報をお伝えしていきます。